京都いきものフェス!2023
2023年10月8日、9日に京都府立植物園にて『きょうと☆いきものフェス!2023』がおこなわれました。
主催である「きょうと生物多様性センター」は、生物多様性保全に向けた取組の一層の促進を図るため、令和5年4月1日に京都府と京都市が協調し、京都府立植物園会館を拠点に開設されたセンターです。
きょうと生物多様性センター (pref.kyoto.jp)
このプログラムの一環として、8日に『外来植物いけばな』をおこないました。
まずはじめに、京都文教中学・高等学校の西村元先生より外来植物のレクチャーをしていただきました。
◇外来植物(外来種)の定義
・原産地以外の場所で生育している。
・意図的、非意図的にかかわらず人為的に持ち込まれた。
・人の管理下にない野生状態で見出される。
これらの条件を満たすものが外来植物に相当するといえます。
また、日本への移入時期でみると
Ⅰ 史前・外来植物(石器時代から弥生時代)
Ⅱ 旧・外来植物 (古代から江戸時代中後期)
Ⅲ 新・外来植物 (江戸時代末期以降)
主にこのような区分になります。
従来、帰化植物と呼ばれていた植物も外来種となるので、イネやムギ、ナズナ、ヒガンバナなどはⅠ、梅や茶、孟宗竹などはⅡの区分の外来植物となります。
このように見ていくと、逆に在来種を見つける方が難しく、いけばなにおいて古くから花材として使われていた植物も外来植物である可能性があります。
その後、私の方からいけばなについての説明を簡単にさせていただきフィールドワークへ出発しました。
今回のフィールドは植物園から出てすぐの河川敷です。
西村先生より、植物の説明を受けながら各々好きな植物を採取していきます。
・セイバンモロコシ (地中海)
・メリケンカルカヤ (北アメリカ)
・アレチヌスビトハギ (北アメリカ)
・ヨウシュヤマゴボウ (北アメリカ)
・ヒメジョオン (北アメリカ)
・カゼクサ (南アフリカ)
・オオクサキビ (北アメリカ)
・イチビ (インド)
・セイヨウフジバカマ (アメリカ南東部、メキシコ)
・ランタナ (中南米)
・イヌタデ (中国、東南アジア)
・ヒガンバナ (中国)
・キバナコスモス (メキシコ)
覚えている限りですが、このような外来植物がありました。
どれも様々な場所で目にする見慣れた植物です。
普段の生活の中では、同じ道を通っていても気にならない存在かもしれませんが、意識してみると面白いものです。
会場に戻った後は、さっそくいけていきます。
採取した中で、特に好きな植物を主役にし、更にその主役のどの表情が好きなのかを見ていきます。
虫に食べられた葉や、花が終わった後の実がだったりと、どこに美や面白さを見出すのかは人それぞれです。
また、自分で採取したことで、植物への思い入れもあり素敵な作品ができました。
私たちの身の回りには、外来植物があふれています。
それが、良いのか悪いのかは場所によっても違いますし、立場によっても違います。
そのことも含めて、さまざまな多様性が叫ばれる昨今、いま一度身の周りの自然に目を向けてみてはいかがでしょうか。
意外な発見があるかもしれません。