伝統文化と生物多様性 -2- 2017.6.24

6月24日に行われた『伝統文化と生物多様性』の第2部についてです。

午後から行われた第2部は『社寺の森にみる生物多様性』と題し、日本自然保護協会の道家先生と京都大学名誉教授の渡辺先生に講演して頂き、生物多様性や社叢(鎮守の森)について面白い話を聞かせて頂きました。

平均気温が2度上がるとアブラムシは5世代サイクルが早まるのに対してアブラムシを食べるテントウ虫は2世代しか早まらないそうです。

つまり…そういうことですよね。

また森と杜また林の違いや、鎮守というのはもともと軍隊の駐屯地をさす言葉という事など、じつに面白く興味深い話でした。

また、会場となった法然院ではちょうどモリアオガエルをみることができました。

このモリアオガエルは卵を水中ではなく木の上に産卵するため、普段は山で過ごしていますが繁殖期には近くの池や沼に現れるそうです。

そして天敵である蛇に食べられにくい枝の先等に泡状の卵を産み付けます。

そこで孵化すると池や沼に落ちるという仕組みですね。

卵がこちら↓

わかりますでしょうか?

この様に枝先かつ水上に産卵します。

まさか卵だけでなく本人に会えるとは驚きでした。

法然院の森ではフクロウやムササビなども生息しており、まさに生物多様性が成り立っています。

和菓子タイムの休憩を挟んだ後は、フィールドソサイティーの久山さんに法然院の森を案内して頂きました。

京都市内のすぐそばにこのような自然がある事は知っているようで知らないことでした。

京都の魅力は歴史と文化と共に、この自然があるからこそなのでしょうね。