髙林 佑丞 (たかばやし ゆうすけ)

1986年生まれ、静岡県浜松市出身。

京都いけばなプレゼンテーションや円山公園花灯路など、京都を中心にさまざまな場で作品を出瓶。

2016年には、池坊が京都市・スターバックス・京都大学伊勢准教授と協力して開催した「YES, WE DO KYOTO!外来種いけばな」にて講師を務める。

現在、池坊短期大学・京都美術工芸大学・京都光華女子大学・龍谷大学付属平安高等学校・同志社大学・京都光華中学校などで華道講師を務め、いけばなの指導にあたっている。


はじめまして


髙林佑丞(たかばやし ゆうすけ)と申します。

日本の伝統文化である「いけばな」。
皆さんの中には、少し敷居が高いイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれません。

和室に正座し、黙々と花と向き合う――。

確かに、一昔前のいけばなは「花嫁修行」の代名詞でもあり、
礼儀作法を身につけるために習っていた方も多くいらっしゃいました。

けれど同時に、いけばなは生活文化でもあります。
いつの時代も、その時代の暮らしに寄り添いながら生けられてきました。

だからこそ、「今の時代」には「今のいけばな」があるのです。
(もちろん、古典的ないけばなも大切にしています。)

現在では、椅子と机でお稽古するのが一般的になってきましたし、
リビングや玄関などの洋風の空間にも合うように、色鮮やかな洋花を用いることも多くなっています。
バラを一輪、そっと挿す――それも立派ないけばなです。

このように、実はいけばなはとても身近な文化なのです。


一方で、長い歴史をもついけばなは、その考え方の中に
日本人の自然観や精神性が色濃く表れています。

仏教伝来とともに伝わった仏前供花の様式が、次第に華道として発展していったといわれていますが、
それ以前から日本人は山や木、草花など自然界に八百万の神々の存在を感じ、自然と共に生きてきました。

そのことは、日本最古の歴史書『古事記』や、日本最古の歌集『万葉集』に数多くの植物が登場することからもわかります。

たとえば、天照大御神が天の岩戸にこもられた際、神々が榊を用いてその心を和らげようとしたという神話。
今でも常緑樹は神の依り代とされ、正月の門松や神棚の榊など、かたちを変えて日常に受け継がれています。

また『万葉集』には、自分の思いを植物に託した歌が多く収められています。
大切な誰かを花や草木に重ねて詠む――その心は、いけばなにも通じています。


いけばなもまた、思いを植物に託して表現する文化です。

  • 家族を癒したくて、そっと花を飾る
  • お客さまを華やかに迎えたくて、季節の花を添える
  • お祝いの気持ちを込めて、花で祝福する

命ある植物を生けることで、人を癒し、そして自分も癒されていきます。
日常の喧騒から少し離れて、花と向き合う時間を過ごしてみませんか?

「少しやってみたいな」
「どんな感じなのか気になる」

そう思っていただけた方は、ぜひ一度体験レッスンにお越しください。
お会いできることを、心より楽しみにしております。

                                 
髙林佑丞