外来種いけばな 2016.6.12

(この記事は2016年に行われたイベントの記事です)

『YES,WE DO KYOTO!』

京都市とスターバックスさんが、京都らしいエコアクションを起こそうと2015年11月から始まったプロジェクトです。

そのプロジェクトの一つ『IKEBANA of ALIEN SPECIES 外来種いけばな』が6月12日に京都大学吉田キャンパスで開催され、講師として呼んでいただきました。

外来種といえば、ブラックバスなどが有名ですが・・・

何らかの形で日本に持ち込まれ大量に繁殖し、日本古来の在来種を絶滅の危機に陥れています。

なぜか外来種は在来種に対して繁殖力が強い...

 

それは植物の世界でも同様で、数年前の風景と現在の景色が変わってしまった。

そういう場所が、多々あるのではないでしょうか。

しかし、そのような外来種にも命はある。

そこでただ駆除するだけではなく、いけることで外来種問題をすこし違う面から考えてみるという企画です。

会場となったのは京都大学の吉田キャンパス。

その中にある『旧農学部附属演習林事務室』です。

入口にあった説明書きを読んでみると・・・

1931(昭和6)年建築

スパニッシュ瓦を葺き、部分的にベランダを巡らしたバンガロー風木造建築。

1998(平成10)年9月に国の有形文化財に登録。

・・・驚きです。

まさかこのような所でできるとは。

まず、外来種についてのレクチャーを京都大学の伊勢武史准教授がしてくださいました。

...Tシャツが素敵すぎます。

欲しいです。

ユニクロに売っているそうです。

行ってみます。

続いてキャンパス内の北白川試験地で外来種の採取。

外来種と在来種の判別は、京都大学農学研究科修士2年の成田さんによって、行われました。

外来種か否かだけではなく、豆知識まで凄かったです。

当日雨が心配でしたが、なんとか雨が降る前に採取が終わり、早速器に生けはじめました。

器は各自持ってきていただいた10cm四方くらいのものです。

生け始めて思いましたがみなさんほんとに上手で、手直しとかあまりすることがない。

なので、一応教えているふりだけでも。

今回は、作品を写真にしてもらえるということで、完成した方から順次撮影です。

作品によってどの背景が合うか、色を変えてます。

まさかここまで本格的な撮影だとは思っていませんでした。

すこし講義の時間も頂いたので軽くいけばなの歴史と、主に水揚げ方法についての説明をしました。

瞑想しているわけではありません。

今回のワークショップで思ったことはまず、採取することが楽しすぎるということでした。

子供のころはよく道端の花を摘んだり、虫を追っかけたりと自然と触れ合うことが日常でしたが大人になったいま、道端の花を摘むことだけに時間をかけることが果たしてあるでしょうか?

そして自分で摘んできた草花を生ける楽しさ。

また、ずっと在来種だと思っていた植物が外来種だった時の驚き。

孟宗竹、梅などもそうです。

言われてみれば確かにと思いますが、今ではすっかり日本に帰化してます。

稲もそうです。

つまり外来種といっても、一概に邪魔者扱いし駆除するのではなく、上手に共存する方法も探さないといけないですね。

今回のように採取したのち、いけばなとして楽しむということは実にいい方法だと思います。